日本のプラスチック容器市場の動向
- INTERTEC
- 2020年10月7日
- 読了時間: 5分
-コロナ禍以降テイクアウト·デリバリー需要増加でプラスチック容器市場の成長-
- 日本政府の環境に配慮した規制対応のため、新素材開発の動きも-
□商品名及びHSCode
ㅇ 商品名及びHSCode
- 商品名:プラスチック容器(HSCode3923.10.000)
-HSコード:3923(プラスチック製物品運搬又は包装容器とふた、栓、キャップ及びこれらに類似する物品)、3923.10.0000(箱、ケース、かご及びこれらに類似する物品)

□市場規模及び動向
ㅇ 日本プラスチック容器市場規模の推移及び予測
- 2019年の包装容器市場は、出荷金額ベースで5兆6,953億円、うちプラスチック容器は約30%を占める。 プラスチック容器の出荷金額は前年比小幅増の1兆7,120億円。
- 日本プラスチック食品容器工業会によると、プラスチック容器のうち食品包装容器の市場は約4,000億円規模で、日本国内の簡易食品用市場の容器メーカーは約100社に達するという。

ㅇ 市場動向
- プラスチック容器の原材料(主にNAPHTHAなど)の価格変動により、業界全般の価格調整が行われている。
- 少子高齢化や夫婦共働き世帯の増加など、社会構造の変化に伴い、コンビニで弁当等を購入する[中華*·内食(家庭内調理、食事)]の需要が拡大し、小売業者においては高齢者向けの食事、食材宅配サービスも強化する傾向にある。
*注:家庭外で調理された食品をテイクアウトまたはデリバリーなどで家庭で食べる食事形態。

- 最近はコロナ19による外出自粛の影響でテイクアウト、デリバリー、スーパーマーケットでの惣菜販売等が増加し、プラスチック容器の需要が増加している。
- リサイクル品、環境にやさしい製品、新素材開発の加速化:日本政府の脱プラスチック政策に対応した多様な方式の新製品、新素材開発が進められており、食品ロスを減らし環境を保存するための保存性の高い機能性容器の開発も加速している。
新素材BioPBSストロー写真

資料:三菱ケミカルホームページ
ㅇ 競争動向
- 食品容器業界の代表的な企業であるエフピコは10期連続の売上増加を見せており、2020年3月決算基準で売上は前年比2.9%増、営業利益は11%増。 コロナ19の影響で食品容器の需要が加速し、売上増加が見込める。
- 中央化学は2020年3月決算基準で前年比8%売上が減少したが、営業利益は47%増加。 コロナ19の影響でテイクアウト、宅配などの需要は増えたが、イベント、スポーツ関連の需要が急減する見通し。
- 東洋製缶グループホールディングスは、包装容器関連事業分野における平成32年3月期決算時、洗剤詰め替えパウチ及び検査試薬容器等が好調。 同社はプラスチック製品製造子会社としてメビウス包装を新設し、愛知県豊橋市にレトルトパウチなど柔軟包装容器生産のための新工場を建設し、関連分野のシェアを高める。
□流通構造
ㅇ 海外企業が日本市場に参入するためには、直接法人を設立し、卸売業者に納品したり、各小売業者に納品する形態であるが、海外企業の場合、輸入業者を特定し、輸入業者を通じて製品を輸入し、その流通経路に進出することが一般的である。
□関税率、輸入規制、認証
ㅇ 関税率
- HSCode 3923.10.000 プラスチック容器
- WTO協定関税率:Free
ㅇ 輸入規制
- 食品衛生法、容器包装リサイクル法、製造物責任法等の確認が必要。
- 2020年7月1日からビニール袋の有料化が始まるなど、環境問題に関する法規制の最新動向の把握に留意が必要。 (輸入業者を通じて輸入する場合は、輸入業者が確認)
- 生産技術、機能など知的財産の保護を受けるケースもある。(特殊機能の場合は特許権意匠権等の確認が必要)
- 食品衛生法(用具、容器、包装)ポジティブリスト制度が2020年6月1日から施行されており、輸出の際に確認が必要。 日本の輸入通関の際、検疫所からPL適合性証明書の提出を求める場合がある。
ㅇ 必須認証
- 認証不要

□バイヤーインタビュー
ㅇ 関連業界A社の営業担当B氏によると、コロナ19の影響で在宅勤務や外出·自粛などで出前の需要が増え、出前の「Uber Eats」や「Demaecan」が多く見られるようになったが、出前やテイクアウトを行うほとんどの中小型飲食店では簡単で安価な容器、ふたと本体つながっている一体型を好むという。
ㅇ 特に底の深い形態が人気で、家で容器のまま電子レンジで温めて食べられる耐熱素材(自社製MFP)や耐熱断熱素材が人気があるという。
□展示会情報
ㅇ SMTS2021 第55回Supermarket Trade Show 2021
- 日時:2021年2月17日~19日
- 場所:幕張メッセ
- ホームページ:http://www.smts.jp/en
ㅇオリジナル商品開発Week(共催 第13回国際OEMPB開発展、第3回地域商品展、第3回パッケージデザイン展)
- 日時:2021年2月16~19日
- 場所:東京ビッグサイト
- ホームページ:https://jma-pb.com/en
□示唆点
ㅇ プラスチック容器の持続的な需要増加予想
- コロナ19により外出自制、商業施設の休業などによる出前食品、弁当、テイクアウト製品の需要が増加し、より多様な食べ物を入れることができる多様な容器包装製品が必要となる。
- 2019年10月から消費税が8%から10%に引き上げられ、消費需要の萎縮を防ぐために軽減税率制度を導入した。 食品のテイクアウト、配達製品の税率は軽減税率制度が適用され、8%(その他消費税10%に引き上げる)と価格的なメリットが生じたことにより、包装食に対する需要も増加。
ㅇ バイオプラスチックなど環境にやさしい製品で日本市場を攻略
- 日本政府の脱プラスチック政策で、セブンイレブンなどの弁当製品の場合、2027年までに食べ物を入れる容器は紙類に、ふたはプラスチックに変更しようという動きがある。
- 容器包装リサイクル法により、食品·飲料などの容器·包装の利用者に一般廃棄物の減量と資源の有効活用が義務づけられ、流通業者は容器の軽量化とリサイクル可能な素材の調達·提案などが営業上必須課題となった。
ㅇ お客様のニーズを聞き、製造にフィードバックすることが重要。
- 出前の食べ物、テイクアウト製品の保温性、保存性が求められており、スーパーのおかず、弁当、寿司、焼き魚などは食べ物をおいしく見せるデザイン性が必要。
- 日本人が好むデザイン、よく食べる食べ物、日本の配達システムなどを理解し、それに合う製品提案が必要。
資料:富士経済、GTA、日本プラスチック食品容器工業会、日本包装技術協会、企業ホームページ、東京貿易館資料総合
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